ひこばえの花
朝6時、畑の様子を見に行くと、火を燃やしていた腰の曲がったS婆さまが杖をあげ軽トラを止めた。
Sさんからはこの秋、天日干し用の竹棒のセットをもらった、そのあと片付けのことだったが、そのあとスズメ蜂騒動の話しが続いた。
草刈り中巣にぶつかり両肘を刺され病院に行った件だ。
俺は以前に知っていた。
話そうかとも考えたが、きっと取り払われてしまうだろうし、妙な動きをしない限り滅多に刺さされない。近所の農家に話した時もあの辺によく巣くうんだよなとしか言ってなかったので黙っていた。
だって流山で現役の巣を見たのは初めてであり、神々しくも見えていたんだもの、でも退治されてしまった。
昨日最後の稲刈りを月明かりの下で終え、後はワラを片付ければ大仕事のめどがつくと、雨が今にも落ちてきそうな曇天の中、夢中でワラを片付けていた。
雨に濡れたら3倍以上は大変な仕事になる、雲をにらめながらの追いかけっこは見事に勝利した。
このところ腕がパンパンで夜は冷却材でアイシングし続けている。
明日からは遅れている畑仕事に頭が切り変えることができる。
1日でも遅れたら大変だった。
みなの協力の賜物である。
ワラを片付けていた黒米の田んぼの「ひこばえ」には新たに穂が出、花も咲いていた。
黒米特有の黒ぶちに花が神秘的に美しい。
発見だ。