千年の引継ぎその2
委託された水路掃除は1週間で終えた。
涼しい時間帯を選び一人で、あるいは4人で合計約40時間かかった。
部落総出の時は80時間になるので半分の効率化だが、山ほどある自分の仕事を止めて時間給2500円はちょっとなさけない、百姓を始めて数ヶ月のメンバーの不慣れを考えれば来年はさらに半分の時間ですむであろうから続けられそうだ。
何よりも一番気を使ったのが自分の田畑の草取りである。
この作業に入る前に草取りをしまくった。
うしろ指をさされたくなかったからである。
作業終了の報告に行くと、委託したことに対する文句は一人だけでみんな大喜びしているとのことで胸をなでおろした。
作れば損をするような米作りに苦労はしたくないのがみんなの本音だ。
これで放棄する田んぼの減少を少しは食い止められたと誇りに思おう。
昔の八百屋仲間で飯田で帰農して18年の夫婦の所へマサと遊びに行ってきた。
ジジババの面倒を見ながら3人の子どもを留学させるなど立派に育て上げ、働きまくっていた。
失敗の連続の中周りの人に助けられて今があるとしみじみ語ってくれた。
54の彼はまだ開墾を続ける意思があり、60の彼女は縮小しようとささやく。
農地、技術、生き方の引継ぎをここでも模索していた。