農学校での味噌作り
「この薪は俺の葬式用にとっておいたんだ。」と、
農学校の田畑提供者であり講師でもある池田さん。
もちろん葬儀の煮炊き用であるが、味噌し込み講座の参加者はみな火葬用を連想した。
ほんの数年前まで農家やでは家での葬儀がほとんどだったが、あっという間にセレモニーホールが主役になった。
薪や大鍋もいらない。味噌も餅も米も買う。
道具は納屋で博物館化し、年よりが亡くなると燃やされる。
この街において農の文化は風前のともし火だ。
今のじさま、ばさまが壊滅すればおしまいである。
参加者三十名は糀と混ぜ臼きねや大きな鉢で順次豆をつぶし、ビニールに入れて踏みつけてもつぶし、
あっという間に百五十キロの味噌をし込んでしまった。
最後の虫よけの袋かけではみつ子ばあさんがさっとわり入りひもかけを手伝ってくれた。
まちの人はひもの使い方が大変へたくそだ。
俺もそうだった。
何度も大失敗して少しは使えるようになった。
みっちゃんとひもをきゅっとかけ終えたとき、百姓としての誇りを感じた。
農学校も二年目を迎える。
しっかりした運営を確立し、もっと多くの百姓の年よりに関わってもら得るような広がりを。