時をきざむ音と棺おけ
もうかれこれ二十年は振り子時計を愛用している。
暮れに挿げ替えたものは三代目で五十年前に製造された時計だ。
その前の時計の調子が悪くなっていたのでタイムリーないただきものであった。
デザインも良く音も柔らかい。
メイジという会社製だ。
ただ四、五日に一度ネジを巻かなくてはならない。
以前のセイコウシャ製は二十一日間もつ優れものだが形がシンプルすぎた。
色々あるもんだ。
柔らかい雨だれの音と薪ストーブ火のささやきと時計の振り子の音で今これを書いている。
贅沢ですね。
豆炭のコタツのほんわかさも格別だし、娘がはじめていれてくれたコーヒーもうまい。
築五十年の寒い家と貧乏神様に大感謝さまさまだ。
棺おけももらってきた。
と言っても特大の味噌樽だ。
でも使える。
できることなら使いたい。
大そうに横に寝かせられるよりもひざを抱えてうなだれているほうが死人らしくていい。
そのまま埋められるならもっといい。
葬式はやらなくていいから、棺おけを焼き場までみんなでかついてくれればいいといったら、家族たちに完全に拒否された。
残念!!。
棺おけを手入れしてその中で瞑想をしようと考えている。